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涌井 隆; 山崎 和彦*; 二川 正敏
Advanced Experimental Mechanics, 7, p.103 - 109, 2022/08
高放射化物を閉空間に閉じ込めた状態で切断・減容化する技術開発の一環として、鉛含有量が異なる放射線遮へいガラスに対して、Nd-YAGレーザーの照射条件(パワー及び照射回数)を変えた照射試験を実施した。鉛含有量、照射パワー及び照射回数の増加とともに、大きな黒色で凹形状の照射損傷とその周りにき裂が生じた。損傷に及ぼす機械的特性の影響を調べるために、非照射部及び照射部の一般的な機械特性を調べた。評価された機械的特性を基に算出された熱衝撃破壊靭性値は、鉛含有量の増加ともに減少する。黒色の照射領域の微小硬さは、非照射より10%小さくなり、レーザー照射による機械的特性の変化が確認された。
五十嵐 誉廣; 大谷 恭平; 加藤 千明; 坂入 正敏*; 富樫 侑介*; 馬場 和彦*; 高木 周作*
ISIJ International, 61(4), p.1085 - 1090, 2021/04
被引用回数:1 パーセンタイル:7.67(Metallurgy & Metallurgical Engineering)水溶液中の金属カチオン(Zn, Mg, Na)が鉄への水素透過に及ぼす影響を明らかにするために、鉄表面からの水素透過量をレーザーアブレーションを用いた電気化学試験により測定した。また、金属カチオンによる水素透過の基本的なメカニズムを得るために、第一原理計算を使用して金属カチオンの吸着ポテンシャルと鉄表面周辺の電子状態を取得した。実験解析から、溶液中のZnによって鉄表面の陽極反応が抑制されることがわかった。また量子解析から、ZnイオンはNa, Mgイオンよりも鉄表面に強く結合することがわかった。これより、鉄の溶解反応はZn層の形成により抑制され鉄への水素透過の抑制につながることが示唆された。
阿部 浩之; 下村 拓也; 徳平 真之介*; 島田 幸洋*; 竹仲 佑介*; 古山 雄太*; 西村 昭彦; 内田 裕久*; 大道 博行; 大島 武
Proceedings of 7th International Congress on Laser Advanced Materials Processing (LAMP 2015) (Internet), 4 Pages, 2015/08
短パルスレーザー(ナノ秒,フェムト秒)を水素吸蔵合金表面層に照射し、水素吸蔵能向上を目指す表面改質実験を行った。レーザー条件をパルス幅100fsec、エネルギー0.2-3.4mJ/pulseとして、水素吸蔵合金LaNiAl合金に照射することで表面の局所構造を変化させ、この吸蔵合金の初期水素吸蔵反応とレーザー照射との相関について調べた。その結果、フルエンスで2.0mJ/cm付近でのレーザー照射したサンプルは未照射サンプルに比べ、1.5-3.0倍水素吸蔵初期反応速度が速くなり水素吸蔵能が向上することを見いだした。これによりレーザー照射は水素吸蔵材料の表面改質に有効であると結論づけられる。
Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 若狭 剛史; 山川 猛; 阿部 浩之; 神谷 富裕; 伊藤 久義
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.125 - 129, 2004/10
人工衛星に搭載されているオプトエレクトロニックデバイスの一種であるフォトダイオードで発生するシングルイベント効果の発生機構を解明するために、イオン及びレーザ照射を行いシングルイベント過渡応答を調べた。Si PINフォトダイオードで発生する過渡電流は、両極性及び極性の2つの期間に分類できることがわかった。前者は空間電荷(SC)効果が原因であると判明した。さらに、デバイスシミュレータを利用した計算より、過渡電流は電子及び正孔の誘導電流及び変位電流の総和で表されることが明らかになった。一方、GaAs MSMフォトダイオードで発生する過渡電流はSi PINフォトダイオードと比較して、SC効果の持続時間が短い結果が得られた。この違いは、素子構造が異なることによって、MSMはPINフォトダイオードと比較して、デバイス中に付与されるエネルギーが小さいこと、及び表面効果が大きいこと等が原因であると考えられる。
北谷 文人
PNC TN8440 94-036, 38 Pages, 1994/09
紫外光用のミラー材として一般に用いられる酸化物、フッ化物膜材について249nmのレーザーを用いて吸収および破壊強度の測定を行った。この結果から、紫外用の膜材としては、酸化物に代表される高屈折率膜が損傷およびロスのネックになっていることがわかった。よって、高性能な短波長光学素子を製作する際には、フッ化物、フッ化物の組み合わせによる製膜や酸化物以外の膜の低吸収、高破壊強度を持つ高屈折率膜の製作が必要である。また、多重照射の試験結果から製膜の後、低エネルギーレーザーの照射によって膜性能を向上できることが、わかった。
阿部 浩之; 徳平 真之介*; 下村 拓也; 島田 幸洋*; 竹仲 佑介*; 古山 雄太*; 西村 昭彦; 大道 博行; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
ナノ秒やフェムト秒といった短パルスレーザーを利用し、水素吸蔵合金の水素吸蔵能向上を目指すための表面改質実験を行った。本研究ではレーザー(パルス幅100fsec、エネルギー0.23.4mJ/pulse)をLaNi系のLaNiAl合金に照射することで表面の局所構造を変化させた。その結果、レーザー照射した試料は未照射試料に比べ、1.53.0倍程度吸蔵能が向上することを見いだした。これよりレーザー照射は水素吸蔵材料の表面改質に有効であると結論できた。
菖蒲 敬久; 城 鮎美*; 安田 良*; 小泉 保行; 水谷 春樹; 小林 孝徳; 村松 壽晴
no journal, ,
「軽い・薄い(価格が)安い・強い・長持ち」といったユーザーニーズに応えるデライト設計ベースの工業製品開発およびそれらを実現するためのコーティング装置に必要なレーザーコーティング技術を確立するための基板基礎研究として、金属球のレーザー照射による溶融現象を高速イメージング測定により行い、系統的現象を明らかにすることを目的として本研究を実施した。SPring-8、BL22XUにおいて30keVの放射光X線を直径200マイクロメートル程度の金属球に照射し、レーザー照射下における溶融現象を1000分の1秒、6マイクロメートルの時空間分解能で観測した結果、金属球の溶融時間はレーザー出力と線形の関係であるが、基板への広がる時間は基板と金属球の融点の大小関係に大きく依存すること、大気中と真空中では酸素の影響により振る舞いが大きく異なるなど、レーザーコーティングの高度化に役立つデータ収集に成功した。
涌井 隆; 山崎 和彦*; 二川 正敏
no journal, ,
鉛含有量の異なる2種類の放射線遮へいガラスと無鉛ガラスにNd:YAGレーザーを照射した。本研究のレーザー照射条件では、無鉛ガラスの照射損傷は確認されなかったが、鉛ガラスの照射損傷は確認され、鉛含有量が多いガラスの照射損傷が大きかった。ビッカース硬さ,弾性係数及び破壊靭性値について、ビッカース圧子を用いた微小押込み試験による評価した。鉛ガラスのそれぞれの値は、無鉛ガラスの値の82-75%,90-80%及び71-65%であった。球状圧子を用いた微小押込み試験により得られた押込み荷重-深さ曲線に対して、カルマンフィルタを用いた逆解析を行った結果、鉛ガラスの降伏応力は、無鉛ガラスの87-67%であった。また、鉛含有量の低いガラスにおいて、照射損傷部の降伏応力は、非照射部の値の74%であった。
土田 隼久*; 金子 暁子*; 藤原 広太*; 瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典
no journal, ,
再処理工程では、硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液をマイクロ波加熱脱硝法により、混合酸化物粉末に転換している。本研究では非接触で突沸を防止する方法として、レーザー照射による突沸防止効果の検討を行った。蒸留水を入れたガラス管に赤外線レーザーを水平方向から照射した状態でマイクロ波加熱を行った結果、レーザー照射位置付近から核沸騰が生じることを確認し、マイクロ波加熱を継続すると断続的な核沸騰の末に過加熱状態となり突沸現象が生じた。これはマイクロ波のエネルギーが赤外線レーザーに比べて大きいことが理由と考えられた。
土田 隼久*; 金子 暁子*; 瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典
no journal, ,
再処理工程では、硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液をマイクロ波加熱脱硝法により、混合酸化物粉末に転換している。本研究では非接触で突沸を防止する方法として、レーザー照射による突沸防止効果の検討を行った。蒸留水を入れたガラス管に赤外線レーザーを水平方向から照射した状態でマイクロ波加熱を行った結果、レーザー照射位置付近から断続的な核沸騰の末に過加熱状態となり突沸現象が生じた。これに対し、高出力のYbパルスレーザーは赤外線レーザーに比べて高密度なエネルギーを与えることが可能であり、より多くのキャビテーションの発生が見込まれることから、突沸を防止できる可能性が十分にあると考えられる。
川口 浩一; 瀬川 智臣; 石井 克典; 土田 隼久*; Hamdan, N.*; 金子 暁子*
no journal, ,
マイクロ波加熱中の蒸留水にレーザー光を照射し、発生する気泡を高速度カメラを用いて観察した。レーザー照射位置を含む区間での気泡発生頻度の増加が見られた。最終的に突沸に至ったものの、レーザー非照射での加熱と比べて突沸発生が遅れる傾向が見られた。